化学物質による健康への影響についての学説

慢性中毒・アレルギー・化学物質過敏症について

化学物質の健康への影響は、その種類や濃度などによって異なり、体質や体力などでも個人差があります。症状は、眼科・耳鼻咽喉科・皮膚科に関するものから神経的なもの、内科・婦人科に関するものまで、様々な分野が関連します。
症状例/目がチカチカする、鼻水やくしゃみが出るなどの粘膜の障害、頭痛、吐き気、疲労感などですが、他の病気の症状と区別がつきにくいため、専門家や医師による正しい診断が必要とされます。

「慢性中毒」についての学説

例えば、砒素化合物による中毒死があるように、化学物質を大量に摂取すれば急性毒性で死に至るか、大きな障害が残ります。少量ずつの摂取では慢性中毒になり徐々に障害がでてきます。そして、摂取の蓄積量によっては死に至ります。毒性物質とはいえないアルコールでも、継続的にたくさん摂取すると各種の障害を起こし、慢性アルコール中毒になります。

普段の生活や工業で使われる毒物の中毒症状は、一般的にミリグラム(1000分の1グラム)単位の摂取でも現われます。

「アレルギー」についての学説

人体が本来持つ免疫反応が過剰に反応して起こる症状です。
原因物質は人工的な化学物質ばかりでなく、植物や花粉、ハウスダスト(人やペットの毛、目に見えないくらい小さなはく離した皮膚など)も原因です。ダニやその排出物・死骸、タバコの煙など、人によっては生活環境で発生するさまざまなものが原因となります。

症状は物質にもよりますが、一般的にppm(100万分の1)の単位で現われるといわれます。

「化学物質過敏症」についての学説

ある化学物質を大量に被ばくすることで化学物質過敏症になってしまうと、同じ物質でもごく微量で様々な症状が出たり、他の種類の物質にも過敏になりがちです。このため、初の大量被ばくを避けることが大切になります。

慢性中毒やアレルギーに比べ、さらに微量のppb(10億分の1)やppt(10兆分の1)単位でも症状が起きることが、分析技術や医療診断技術の進歩により分かってきています。

発症状況と症状
影響
対象物質名
発症状況と症状
急性中毒
ホルムアルデヒド、有機溶剤、殺虫剤など 濃度が高い時に起きる。
目やのどの痛み、呼吸困難、めまい、頭痛、吐き気など
感作性
ホルムアルデヒド、殺虫剤など

人により微量でも影響することがある。
アレルギー、アトピーなど。

シックハウス症候群化学物質過敏症

ホルムアルデヒド、VOC、殺虫剤、可塑剤など

人により異なり、極く微量で影響することがある。
自律神経異常、肩こり、頭痛、吐き気など多様な症状が出るとされる。

臭気の影響
ホルムアルデヒド、有機溶剤など

物質によって臭気が完治される濃度が大きく異なる。
健康異常との関係は物質の種類と濃度で異なる。例えばホルムアルデヒドの場合臭気があれば危険なレベルと考えられる。


【出 典】
PAINT VISUAL VOL.3 ペイントビジュアル 第3巻 塗料の設計と製造・環境
【発 行】
日本ペイント株式会社 塗料相談室